四十九日法要とは? 服装や香典のマナー、挨拶も文例付きで解説
公開日:2024/05/20
更新日:2024/05/20
● 四十九日法要で施主が行う挨拶について知りたい方
● 四十九日法要の服装のマナーが気になる方
● 四十九日法要の費用やお布施の相場を知りたい方
はじめに
四十九日法要は、葬儀後に行う法要の中で最も重要な忌明けの法要です。一般的に、親族や友人・知人など多くの人を招いて営まれます。初めて施主として法要を営むことになったとき、何をすればよいのか分からないことばかりで戸惑う方も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、四十九日法要当日の流れや挨拶、服装のほか、気になる費用相場やお布施などについても解説します。
1.四十九日法要の流れ
四十九日法要当日の一般的な流れは、以下の通りです。
■ 当日の流れ
納骨式や会食は行わない場合もあります。
2.四十九日法要の挨拶(文例あり)
四十九日法要では、施主が参列者に対して挨拶を行う機会がたびたびあります。主なタイミングは、法要開始時、法話後の中締めの挨拶、会食前の挨拶、お開きの挨拶の4回です。ここでは、具体例を交えて挨拶のポイントをご紹介します。
■ 法要開始時の挨拶
法要を始める旨を伝えるとともに、参列してくださった方々にお礼を述べ、僧侶の紹介を行います。
【例】
本日は、皆様お忙しい中ご列席いただきまして、誠にありがとうございます。 これより、母〇〇の四十九日法要を執り行いたく存じます。それでは、ご住職様よろしくお願いいたします。
■ 中締めの挨拶
四十九日法要が終了したら、無事に法要を終えられたことへの感謝を参列者に伝えます。同日に納骨式や会食を行う場合は、この後の予定についてご案内します。
【例(納骨式が続く場合)】
本日はご多忙の中、母〇〇の四十九日法要にご参列いただき、誠にありがとうございました。おかげさまでこのたびの法要を無事に営むことができましたことを心よりお礼申し上げます。
これから墓地に移動して、納骨式を執り行います。その後は、ささやかな食事の席をご用意しておりますので、引き続きお付き合いいただきたくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
【例(会食が続く場合)】
本日はお忙しい中、母〇〇の四十九日法要にご参列いただき、誠にありがとうございました。皆様のおかげで無事に法要を行うことができました。
なお、ささやかではございますが、別室にお食事の席を設けております。お時間の許すかぎり、おくつろぎいただければと存じます。本日は誠にありがとうございました。
■ 会食前の挨拶・献杯
法要が無事に終わったことへの感謝を改めて伝えるとともに、親戚や知人に「献杯」の挨拶をお願いする場合は、その方のご紹介を行います。
【例】
本日はお忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございました。おかげさまで無事に忌明けを迎えることができ、故人も安心していることと思います。本日は、心ばかりではございますが、お食事の席をご用意しております。おくつろぎいただき、母の思い出話などもお聞かせいただければと存じます。
それでは、はじめに、母の友人である◯◯様から献杯のご挨拶を頂戴したいと思います。◯◯様、よろしくお願いいたします。
■ お開きの挨拶
会食終了時の挨拶では、法要に参列していただいたことへのお礼、今後も変わらぬお付き合いをお願いしたいという気持ちを伝えます。また、返礼品をご用意している旨も、忘れないよう申し添えましょう。
【例】
本日はご多忙中にも関わらず、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。なごりはつきませんが、お時間となりましたので、このあたりでお開きとさせていただきます。今後とも、変わらずお付き合いくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
なお、ささやかではございますが、お礼の品をご用意しておりますので、お帰りの際にお受け取りください。本日は誠にありがとうございました。
3.四十九日法要の服装
親族や関係者など多くの人が集まる四十九日法要。喪主側や遺族、また参列者は、それぞれどのような服装で参加すればよいのでしょうか。ここでは、四十九日法要の服装について解説します。
■ 施主・遺族の服装
四十九日法要では、基本的には喪服を着用します。親族のみで法要を営む場合も、喪服を着用するのがマナーです。施主および遺族は、最も格式の高い正喪服を身につけることが正式ですが、最近は正喪服を持たない人も少なくないことから、ブラックスーツなどの準喪服を着用するケースも増えています。
【正喪服】
男性 | 女性 | |
洋装 | ・黒のモーニングコートにグレーと黒の細い縞模様のコールパンツ ・白無地のワイシャツ ・黒のネクタイ、靴下、革靴 |
・ブラックフォーマル ・黒のストッキング ・黒のパンプス ・黒のバッグ(金具や装飾品が付いていないもの) |
和装 | ・羽織(染め抜きの五つ紋が入った黒の羽二重)と長着 ・袴(仙台平か博多平) ・黒か白の羽織紐、地味な角帯 ・畳表の草履、鼻緒は黒か白 ・黒か白の足袋 |
・染め抜きの五つ紋が入った黒無地の着物 ・黒の帯 ・黒の草履 ・白の足袋 |
■ 参列者の服装
遺族以外の参列者の服装は、略式喪服で問題ありません。男性は、ブラックスーツやダークスーツに白無地のシャツ、黒のネクタイ、黒無地の靴下、地味な色の革靴。女性は、黒やダークグレー、濃紺など落ち着いた色のワンピースやスーツを選びましょう。色選びに迷う場合は、一周忌法要までは黒を着用するのが無難です。
5.四十九日法要にかかる費用
お葬式の費用についての情報に比べて、四十九日法要の費用に関する情報は少なく、法要を営むにあたってどのくらい必要になるか気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、四十九日法要にかかる主な費用の内訳をご紹介します。
【会場費】
自宅以外で法要を行う場合は、会場費が必要になります。お寺で行うケースでは、別途使用料を支払ったり、お布施とあわせてお渡ししたりと寺院の方針や地域の慣習によって異なります。また、参列者をたくさん招待する場合、葬儀場やホテル、レストランなどで営むことも多いでしょう。その際の料金は、参列者の人数や会場の規模・グレードなどに左右されます。施設によって、会場使用料は無料もしくは食事代に含まれることも少なくありません。
【お布施など】
四十九日法要では、僧侶に読経のお礼としてお布施をお渡しします。相場などはのちほど詳しく解説しますが、そのほかに、お寺以外の会場へ出向いていただいた際の「お車代」、僧侶が会食に出席されない場合の「御膳料」などの用意が別途必要になることがあります。お車代と御膳料の相場は、それぞれ5千〜1万円程度とされています。
【会食費】
四十九日法要の後に、参列していただいたお礼として施主が設ける食事のことを「御斎(おとき)」といいます。御斎の金額は、地域や会場、提供する料理の内容によって異なりますが、一般的には一人あたり3千〜1万円程度に設定することが多いようです。
【引き物】
四十九日法要では、施主は引き物(引き出物)を用意して参列者にお持ち帰りいただきます。引き物の相場は、御斎にかかる費用をふまえて3〜5千円程度が目安とされています。法要の引き物は後に残らないものがよいとされているため、消耗品やお茶や海苔、お菓子などの食べ物がよく選ばれます。
5.四十九日法要のお布施
お布施とは、葬儀や法要で読経をしていただいたり戒名を授けていただいたりした謝礼として、僧侶にお渡しする金銭のことです。あくまでも感謝の気持ちを表すものであり、お布施の金額に明確な決まりはありません。とはいえ、はっきりとした答えがないからこそ、いくら包めばいいものか頭を悩ませてしまう方も少なくないでしょう。
四十九日法要のお布施の相場は、3〜5万円程度とされています。同日に納骨法要を行う場合は、あわせて5〜10万円程度が目安となります。ただし、寺院の格式や授かった戒名、お寺との関係や地域の慣習などによっても大きく異なるものです。最近は具体的な金額を教えてくださるケースも増えてきていますので、不安な場合は直接問い合わせてみてもよいでしょう。
お布施は、「奉書紙(ほうしょがみ)」と呼ばれる和紙に包むか、無地の白封筒に入れてお渡しします。表書きは筆ペンを使い、「御布施」または「御礼」とし、その下に喪主の氏名を書きます。お布施を持参するときはむき出しのまま持ち歩かず、「袱紗(ふくさ)」に包み、小さなお盆にのせてお渡しするのがマナーです。直接手渡しをするのは、失礼にあたりますので気をつけましょう。
※袱紗(ふくさ)・・・冠婚葬祭の場で、ご祝儀や香典を包む布のこと。
6.四十九日法要の香典・御仏前
香典(こうでん)とは、お線香やお花の代わりに亡くなった方の霊前にお供えするお金のことをいいます。一方、「御仏前(ごぶつぜん)」とは、忌明け以降にお供えする香典の表書きに用いる言葉であり、仏式の四十九日法要に参加するときは「御仏前」を持参することが一般的です。ここでは、四十九日法要の香典・御仏前について解説します。
■ 四十九日法要の香典相場
葬儀や法要に参加する際、どのくらい香典を持参すればよいのか迷うことも多いでしょう。香典の相場は、法要の様式や故人との関係性、参列する方の年齢、地域や親族間の慣習などによって異なるため一概にはいえませんが、親族の場合、一人なら1〜2万円程度、夫婦など二人で参加する場合は2〜3万円程度を目安に包むことが多いようです。友人・知人の場合は、5千〜1万円程度が目安とされていますが、一緒に参列する方がいれば相談して金額を合わせるのもよいでしょう。
■ 香典袋の選び方・包むときのマナー
法要に参加する際は、香典袋(不祝儀袋)にお金を包んで持参します。香典袋にもさまざまな種類があり、宗教によって違いがあるほか、包む金額に応じても使い分けます。水引は、弔事では「同じことが二度と起こらないように」という意味を込めて、ほどけない「結び切り」を選びます。法要の際に用いる水引の色は、「黒白」か「双銀(銀一色)」が基本です。なお、キリスト教では水引は付けません。また、香典袋にお金を包むときは、以下のことに気をつけましょう。
【香典を包む際の作法】
・新札や古すぎるお札は使わない ・お札は、香典袋の表面に対して裏側・下向きにして入れる ・外袋に表書きと名前、中袋に金額と住所、名前を書く ・名前は薄墨でフルネームを書く ・香典袋の裏側は上側を下側にかぶせる(慶事とは逆)
■ <宗教別>香典袋の選び方・表書き
四十九日法要に招かれたら、お相手の宗教に合わせて適切な香典袋を選び、失礼のないようにしましょう。また、表書きも宗教によって異なるため注意が必要です。
【仏教】
白無地か蓮の絵柄の入った包みに、水引は黒白または双銀の結び切り。表書きは「御仏前」または「御供物料」「御香料」。
【神道】
白無地の包みに、水引は黒白または双銀の結び切り。表書きは「御玉串料」「御榊料」「御霊前」。
【キリスト教】
白無地の包みまたは封筒に、表書きは「お花料」。カトリックでは「御ミサ料」も使う。
7.香典返しについて
「香典返し」とは、葬儀から四十九日までの間にいただいた香典に対するお礼のことです。本来、香典はお返しの必要のないものですが、現在は香典返しを贈ることが通例になっています。四十九日法要では、参列していただいた方への返礼品として引き物(引き出物)を用意しますが、これは香典返しとは区別されるものなので注意しましょう。
香典返しは、仏式では四十九日、神式では五十日祭の忌明けを迎えた頃に贈ります。香典の金額に合わせた品物を個別に贈るのが正式ですが、近年は通夜・告別式のときに香典返しをお渡しするケースも増えており、これを「当日返し」といいます。
香典返しの金額の目安は、いただいた香典の半額程度の品をお贈りする「半返し」が一般的です。すでに当日返しを行なっている場合も、多額の香典をいただいたときは、受け取った香典の金額に見合うよう後日改めてお返しを贈るとよいでしょう。
同じタイミングであれば、四十九日法要のときに香典返しを一緒にお渡ししたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、四十九日法要は重要な忌明けの法要であり、会食や引き物の用意などもしなければならないため慌ただしくなりがちです。香典返しは後日改めてお贈りすることをおすすめします。
【形見分けについて】
四十九日の忌明けを目安として、亡くなった方が生前愛用していた品などを贈ることを「形見分け」といいます。形見分けの時期に決まりはありませんが、家族や親族が集まる四十九日法要の際に行う方も多いようです。形見分けを予定している場合は、事前に準備をして、トラブルや後悔のないよう行いましょう。
8.四十九日法要のまとめ
● 四十九日法要は重要な忌明けの法要。同日に納骨式を済ませることが多い
・施主が挨拶を行う主なタイミングは、法要開始時、中締め、会食前、お開きの4回
・四十九日法要の服装は、施主・遺族は正喪服、参列者は略式礼服の着用が基本
● 四十九日法要にかかる主な費用は、会場費、お布施、会食費、引き物代など
・必要となる費用は、参列者の数、会場や食事のグレードによって変動する
・お布施の金額に決まりはなく、寺院との関係性や地域の慣習などにより異なる
● 四十九日法要に参加する際は、香典を包んで持参するのが一般的
・「御仏前」とは、忌明け以降の仏式の法要でお供えする香典の表書きの言葉
・香典袋にはさまざまな種類があるため、相手の宗教や金額に応じたものを選ぶ
● 「香典返し」とは、忌明けまでの間にいただいた香典に対するお礼のこと
・四十九日法要のときに参列者に渡す、引き物(返礼品)とは異なるので注意する
・家族や親族が集まる四十九日法要のタイミングで「形見分け」を行うケースも多い
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