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無宗教の葬儀(自由葬)とは?メリットとデメリットを理解してトラブルを避けよう

公開日:2023/10/12

更新日:2023/10/12

無宗教の葬儀(自由葬)とは?メリットとデメリットを理解してトラブルを避けよう

葬儀アイコン目次

近年、無宗教の葬儀(無宗教葬儀・自由葬)が増えています。これは、宗教観の多様化や、故人や遺族の自由な意思を尊重する考え方が広がっていることが背景にあります。

無宗教葬儀とは、宗教儀式を省いた葬儀です。そのため、自由度が高く、故人や遺族の思いを形にしやすいというメリットがあります。一方で、納骨や遺骨の扱いなど、宗教的なセレモニーと異なる点や、事前に理解しておくべきデメリットもあります。

この記事では、無宗教葬儀の概要やメリット・デメリットを解説します。無主教葬儀のよくあるトラブルや解決方法なども紹介していますので、無宗教葬儀を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

無宗教葬儀(自由葬)とは?

無宗教の葬儀とは、宗教的な儀式や葬儀の習わしにとらわれず、自由な形式で行われる葬儀のことです。「無宗教葬儀」や「自由葬」とも呼ばれています。日本では、仏教の宗旨に則った「仏式の葬儀」が一般的ですが、近年では、無宗教葬儀を選択する人もいます。

無宗教の葬儀には、仏式で行われる「読経」や「焼香」といった宗教的な儀式はありません。読経の代わりに「黙祷」、焼香の代わりに「献花」が行われるのが一般的です。

また、無宗教葬儀は葬儀内容の自由度が高く、故人の好きだった音楽や映像を流したり、故人の思い出の品を会場に飾ったりといった演出も行われます。

■無宗教葬儀の需要傾向

日本では、現在も仏式の葬儀が8割以上と一般的ですが、近年は無宗教葬儀への注目度も高まっています。その背景には、日本人の宗教観の多様化や、故人を送り出すセレモニーへの意識の変化などがあげられます。

無宗教葬儀のメリット

宗教的な儀式を行わない無宗教葬儀には、以下のようなメリットがあります。

■故人や遺族の思いを尊重できる

無宗教葬儀は、宗教的な儀式を行わないことに加えて、葬儀内容を自由にカスタマイズできるという特徴があります。そのため、故人の好きだった音楽を流したり、故人の思い出の映像を流したりといったオリジナルの演出も可能です。

「お別れの葬儀では、自分らしさを大切にしたい」「故人とつながりのあった方々と、思い出を共有する時間にしたい」など、故人や遺族の思いを反映した葬儀を実現できることが、無宗教葬儀の大きなメリットといえます。

■宗教儀式や考え方にとらわれない

仏式や神式など、特定の宗教儀式に則った葬儀の場合、各宗派の儀礼やしきたりを守る必要があります。そのため、葬儀の流れや会場準備の仕方などはある程度決まっており、葬儀にお呼びする宗教者などのルールも意識しなければなりません。

それに対して、無宗教葬儀は、宗教的な儀式やルールがないため、比較的自由な考え方で葬儀を行うことができます。また、他の宗教・宗派を信仰されている方でも、抵抗なく参列いただけるのも、無宗教葬儀のメリットといえます。

■工夫次第で費用を抑えられる

無宗教葬儀では、一般的な仏式葬儀で発生するお布施や戒名の費用がかかりません。そのため、葬儀の内容次第では、仏式葬儀よりも費用を抑えることも可能です。

ただし、無宗教葬儀だからといって、必ずしも仏式葬儀よりも費用が安いというわけではありません。無宗教葬儀でも、葬儀場を借りる場合は場所代や人件費などが発生します。また、葬儀の内容によっては、一般的な仏式葬儀よりも費用がかかるケースもあるでしょう。

そのため、無宗教葬儀の費用相場は幅広く「工夫次第で費用を抑えらえる」と考えておくのが適しています。

無宗教葬儀のデメリット

故人の思いを尊重した自由度の高い葬儀を実現できる無宗教葬儀ですが、実際に行うためには、事前にデメリットについても理解しておくことが大切です。

ここでは、無宗教葬儀のデメリットについて解説します。

■親族や参列者の理解が得られない場合がある

仏式葬儀が一般的な日本では、無宗教葬儀に対して、親族や参列者から理解が得られない場合もあります。とくに、信仰心が深い方からは「従来の宗教儀式を軽視している」といったイメージを持たれてしまうケースもあるかもしれません。

■納骨や遺骨の扱いが難しい

一般的な仏式葬儀では、忌明けの四十九日に遺骨をお墓に埋葬する「納骨」を行います。また、神式葬儀の場合も、亡くなってから50日後の五十日祭に納骨を行うのが一般的です。

しかし、宗教的な決まりのない無宗教葬儀は火葬をしたら葬儀は終了し、納骨についての決まりはありません。

あらかじめ、親族で話し合いを行い、納骨するタイミングやお墓が決まっている場合は、大きなトラブルに発展することは少ないでしょう。しかし、先祖代々の菩提寺(ぼだいじ)にあるお墓へ納骨を希望する場合は、無宗教葬儀では納骨を拒否される可能性もあります。

■葬儀内容を決めるのが難しい

仏式や神式の葬儀の場合、宗教儀式を含めて、ある程度葬儀の流れが決まっています。そのため、遺族は滞りなく葬儀内容を決めることができるのです。

しかし、自由度の高い無宗教葬儀の場合、葬儀内容はすべて故人の遺志や遺族・親族の希望によって決められます。自由な葬儀が行える反面、短時間で葬儀の内容を決めるのに苦労してしまうケースもあります。

■葬儀後に故人を偲ぶ機会が少ない(弔い不足が起こる)

仏式の葬儀の場合、葬儀後にも故人を偲ぶ「法要」が行われます。神式の葬儀でも、葬儀以降に仏式の法要にあたる弔いの儀式が行われます。

<仏式の法要>

■ 初七日法要:命日から数えて7日目に行う法要
■ 四十九日法要:命日から数えて49日目に行われる法要、納骨・埋葬を行う
■ 一周忌:命日から数えて1年目に行う法要
■ 三回忌:命日から数えて2年目に行われる法要
■ 七回忌:命日から数えて6年目に行われる法要
■ 三十三回忌:命日から数えて32年目に行われる最後の法要

<神式の儀式>

■ 翌日祭:亡くなった翌日に行う儀式
■ 十日祭:命日から数えて7日目に行う儀式
■ 五十日祭:命日から50日後に行う儀式
■ 式年祭:命日から1年以上経過した後に執り行われる儀式の総称(五十年祭が最後になるのが一般的)

こうした法要や儀式は、葬儀後も故人を偲び供養するためのものです。残された親族や親しい人と集まり、故人を思うことで、少しずつ故人との別れを受け入れていくことにもつながります。

故人と親しい間柄にあっても、何らかの事情で葬儀に参列できなかった人もいるかもしれません。そうした方も、葬儀後の法要や儀式があることで、故人との別れを受け入れることが可能になります。

しかし、無宗教葬儀では、こうした法要や儀式のルールはありません。そのため、葬儀以降に故人を偲ぶ機会が少なくなり、場合によっては、故人との別れに後悔や心残りを感じてしまう「弔い不足」が起こってしまうケースもあります。

「弔い不足」を防ぐためにも、無宗教葬儀を行う場合は、葬儀後の供養のタイミングなども事前に検討しておくことが大切です。

弔い(とむらい)不足とは

無宗教葬儀でよくあるトラブルと解決方法

自由度が高く、故人や遺族の思いを尊重できる無宗教葬儀ですが、葬儀のやり方によっては思わぬトラブルが発生することもあります。ここでは、無宗教葬儀でよくあるトラブルと、その解決方法について紹介します。

■親族や参列者とトラブルになってしまったケース

無宗教葬儀のデメリットでも触れましたが、宗教儀式にとらわれない無宗教葬儀を行う場合、信仰心の深い親族や参列者にネガティブな印象を与えてしまうケースも考えられます。

こうしたトラブルを避けるためには、葬儀の前に「無宗教葬儀を行う」とあらかじめ知らせておくことが大切です。

連絡をする際には「なぜ無宗教葬儀を選択したのか」という理由を含めて、丁寧に説明しましょう。とくに、故人の希望による場合は、その部分をお伝えすることで納得してもらえるケースも少なくありません。

また、無宗教葬儀といっても「宗教儀式を取り入れてはいけない」という決まりはありません。親族や参列者の思いも汲んで、一部宗教儀式を取り入れる方法もいいでしょう。

■菩提寺とトラブルになってしまったケース

菩提寺とは、先祖代々のお墓があるお寺のことです。無宗教葬儀を行った場合に考えられる菩提寺とのトラブルには「納骨を拒否される」「法要を執り行ってもらえない」「檀家を解除される」などがあげられます。

菩提寺がある場合は、基本的にそこの宗派に則った葬儀を行ないますので、自身がどこのお寺の檀家になっているのか、どの宗派かをきちんと把握しておきましょう。

■葬儀の内容がなかなか決まらないケース

仏式や神式の葬儀であれば、ある程度流れが決まっているため、葬儀社の担当者との打ち合わせだけでも、葬儀の大まかな流れは決まります。しかし、無宗教葬儀は、自由度が高いため、葬儀の流れや内容を決める際に苦労してしまうケースも少なくありません。

また、無宗教葬儀の場合、葬儀社にすべて任せても、思い描いたような葬儀が実現できない場合があります。必ず「無宗教葬儀を行うこと」「葬儀で行いたい内容」などを、詳しく相談することが大切です。

こうしたトラブルを避けるためには、生前にご自身でエンディングノートに葬儀の希望を記しておいたり、葬儀社の事前相談を活用したりするのがおすすめです。生前にご自身やご家族の葬儀のことを考えるのは「気が乗らない」という人も少なくないでしょう。しかし、葬儀は故人と残された人との大切な別れの時間です。

あたたかい気持ちで故人を送り出すためにも、無宗教葬儀を検討している場合は、ぜひ生前に葬儀について考える時間を設けてみましょう。

メモリアルアートの大野屋では、葬儀の事前相談も受け付けております。ご生前のお時間がある時に、じっくりと、ご納得いくまで、何度でもご相談いただけます。

メモリアルアートの大野屋「葬儀の事前相談」

無宗教葬儀の流れ

自由度の高い無宗教葬儀ですが、一般的な流れは、以下のとおりです。

1.参列者の入場・着席
まずは、葬儀会場へ参列者が入場します。入場の際は、故人が好きだった音楽を流したりすることも可能です。
2.会式の挨拶
司会者や代表者が、葬儀開始の挨拶を行います。
3.黙祷
参列者全員で、故人を思い偲び、黙祷を捧げます。この黙祷が、読経の代わりに行われるのが一般的です。
4.献奏
故人の好きだった音楽や思い出の音楽などを流します。
5.経歴紹介
故人の経歴や人となりを紹介します。
6.スライド・動画上映
故人の思い出を紹介するスライドや動画を上映します。
7.弔辞
故人と親しかった友人など、代表者がメッセージを読み上げます。
8.弔電紹介
届いた弔電の送り主と内容を、司会者や代表者が読み上げて紹介します。
9.参列者への感謝の言葉
代表者が参列者に向けて、感謝の言葉を述べます。
10.献花
遺族、親族、参列者の順で、故人へ花を供えます。この献花が、焼香の代わりになるのが一般的です。
11.閉式の挨拶
司会者や代表者が、葬儀終了の挨拶を行います。
12.出棺
葬儀会場から出棺し、火葬場へ向かいます。
13.参列者との会食
火葬後に、指定の会場で会食を行う場合もあります。

上記は、無宗教葬儀の流れの一例であり、実際には故人やご家族の思いを尊重したオリジナルの流れにアレンジしても構いません。故人とのエピソードを語り合う時間を設けたり、献奏で生演奏を取り入れる方法などもあります。

無宗教葬儀では、残された方があたたかい思いで故人を見送ることが重要です。ぜひ、故人や遺族の自由な意思を大切にしながら、オリジナルの葬儀を検討してみましょう。

まとめ

今回は、無宗教葬儀(自由葬)について、解説しました。無宗教葬儀は、宗教的な儀式やルールにとらわれず、故人や遺族の思いを尊重した自由度の高い葬儀です。

無宗教葬儀には「葬儀内容を自由に決められる」「工夫次第では費用を抑えられる」といったメリットがあります。しかし、無宗教葬儀は「親族や参列者から反対される可能性がある」「菩提寺とのトラブルが発生する可能性がある」などのデメリットもあります。そのため、宗教的な儀式の重要性を理解したうえで、あらかじめ親族や菩提寺には、無宗教葬儀を行う旨を伝えておくことも大切です。

葬儀は、故人と残された人との大切な別れの時間です。葬儀のスタイルを決める際は、さまざまな要素を考慮したうえで決定しましょう。

メモリアルアートの大野屋「葬儀の事前相談」

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