葬儀の服装や身だしなみ|礼服と喪服の違いや髪型、メイク、アクセサリーの注意点を解説
公開日:2024/05/28
更新日:2024/11/27
葬儀に参列する際、服装や身だしなみについて悩んでしまう方も少なくないでしょう。葬儀は故人に最後の別れを告げる大切な場です。そのため、適切な服装や身だしなみのマナーを知っておくことが重要になります。
そこでこの記事では、葬儀の服装に関する基本的な知識や、喪服と礼服の違いなどを解説します。葬儀の際の髪型やメイク、アクセサリーなどのマナーや、葬儀の持ち物についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
● 葬儀の服装(喪主や遺族、参列者)について知りたい人
● 礼服と喪服の違いを知りたい人
● 葬儀の際の髪型やアクセサリー、メイクのマナーについて知りたい人
● 葬儀の持ち物について知りたい人
1.葬儀の服装の基本
葬儀に参列する際の服装は、故人に対する哀悼の意を表し、喪主やご遺族、ほかの参列者に対して失礼のないものを選ぶのが基本です。そのため黒を基調としたシンプルなデザインの「喪服」を着用するのが一般的です。
しかし、参列する儀式や参列者の年齢によっては、必ずしも喪服である必要はありません。お通夜への参列や急な不幸で喪服が用意できない場合は、黒やグレーのダークスーツを着用する場合もあります。また、学生は、学校の制服が望ましいこともあります。
2.喪服と礼服の違い
礼服とは、冠婚葬祭の際に着用するフォーマルウェアのことで、相手に対する敬意や威儀を表す服装です。礼服の中でも、黒いタイプは「ブラックフォーマル」と呼ばれています。
喪服は礼服の1つであり、冠婚葬祭の中でもお通夜や葬儀、法事など、弔事の際に着用するものです。弔事の際に着用する礼服(喪服)は、一般的な黒いスーツより黒の色味が濃い漆黒色で、光沢感がないことが特徴です。同じ礼服でも、結婚式や式典の際に着用するものは、漆黒よりも明るい黒で、光沢感のある華やかなタイプになります。
3.喪服の種類
礼服の1つである喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類があります。どの喪服を着用するかは、故人との関係性や参列する儀式によって異なります。
正喪服とは
正喪服とは、最も格式の高い喪服で、男性の場合はモーニングスーツ(洋装)または黒紋付羽織袴(和装)、女性の場合はブラックフォーマル(洋装)または黒紋付の着物(和装)になります。正喪服は、喪主やご遺族が葬儀や告別式の際に着用するものです。
準喪服とは
準喪服とは、いわゆる「一般的な喪服」のことです。男性、女性ともにブラックフォーマル(洋装)になります。準喪服は、喪主やご遺族、親族、参列者が、葬儀や告別式の際に着用します。
以前は、喪主は参列者よりも格式が高い正喪服を着用するのが一般的でした。しかし、近年では立場にかかわらず、準喪服を着用することも増えています。そのため、手元に喪服を用意しておくのであれば、準喪服をそろえておくといいでしょう。
略喪服とは
略喪服とは、フォーマルな喪服ではない服装(平服)を指します。男性の場合は黒やダークグレーのスーツ、女性の場合はシンプルな黒やダークグレーのワンピースやスーツが略喪服に該当します。
略喪服は、通夜や弔問の際に着用します。また、喪服を持っていない場合や、葬儀や告別式の案内状で「平服にてお越しください」と添えられていた場合も、略喪服を選びましょう。
4.葬儀・告別式の服装
お通夜やお葬式、告別式に参列する場合は、上記で紹介した喪服や略喪服を着用するのが一般的です。ただし、葬儀・告別式の際の服装は、故人との関係や立場によっても異なります。ここでは、葬儀・告別式の服装のポイントについて、喪主やご遺族、参列者、子どものケースに分けて詳しく解説します。
喪主やご遺族の服装
ご自身が喪主やご遺族の場合、正喪服や準喪服が基本となります。
男性の場合
・正喪服(洋装ならモーニングスーツ、和装なら黒紋付羽織袴)
・準喪服(ブラックフォーマル)
男性の場合、モーニングスーツやブラックフォーマルのスーツには、白無地でブロード素材のワイシャツを合わせます。ネクタイは、黒無地で光沢のないものを選び、ネクタイピンは使用しないのが一般的ですが、付ける場合は派手なものは避けましょう。
足元は、黒色の無地の靴下にシンプルな黒の革靴が基本です。装飾品であるポケットチーフやカフスボタンは、慶事のイメージが強いため、付けないほうが無難です。
女性の場合
・正喪服(洋装ならブラックフォーマル、和装なら黒紋付の着物)
・準喪服(ブラックフォーマル)
女性の場合、洋装なら黒で光沢のないワンピースにボレロ、またはアンサンブルやスーツなどのブラックフォーマルが基本です。スカート丈は、ひざが隠れるくらいの長さのものが適しています。足元は黒い透け感のあるストッキング(30デニール以下が目安)に、黒の光沢のない布製や革製のパンプスを合わせましょう。
参列者の服装
葬儀・告別式に参列する親族や知人、友人の服装は、準喪服が基本です。喪服の用意が難しい場合や、平服での案内があった場合は略喪服を着用しましょう。
男性の場合
・準喪服(ブラックフォーマル)
・略喪服(黒やダークグレーのスーツ)
準喪服でも略喪服でも、ワイシャツは白無地のものを選び、ネクタイは黒無地が基本です。足元は黒い靴下に、黒の革靴を合わせます。ポケットチーフやカフスボタンは着用しないほうが無難でしょう。
女性の場合
・準喪服(ブラックフォーマル)
・略喪服(黒やダークグレーのスーツやワンピース)
女性の場合、ひざが隠れる長さのスカート丈のものを選び、黒の透け感のあるストッキングを着用します。靴は光沢感のない黒のパンプスを合わせましょう。略喪服を着用する場合は、胸元が開きすぎていないタイプのトップスやワンピースを選びます。
子どもの服装
子どもの場合、正式な喪服を着用しなくても問題ありませんが、できる限りフォーマルな恰好、または学校指定の制服を着用しましょう。
赤ちゃん~未就学児の場合
赤ちゃんや未就学児の場合は、大人ほど服装に神経質になる必要はありません。黒や紺、グレーなどの地味な色で、シンプルな洋服を選びましょう。キャラクターが描かれたものや柄物、装飾品がついた服は避けます。
ただし、通っている幼稚園や保育園で制服がある場合は、制服を着用させましょう。
学生の場合(小学生~高校生)
学生の場合、学校の指定制服が礼服になります。葬儀や告別式に参列する際は、校則に則った正しい方法で制服を着用しましょう。女の子の場合は、スカート丈がひざ下になるように注意します。
靴下は学校指定のものが白であれば、それを着用しても構いません。指定の靴下がない場合は、黒い靴下を選びましょう。靴は学校指定のものが基本ですが、指定の靴がない場合は、黒や茶色のローファーやスニーカーでも問題ありません。
学校指定の制服がない場合は、できる限りフォーマルな印象の服装を心がけます。白いシャツに黒や紺のスカートやズボンなどを合わせるといいでしょう。寒い季節は、黒や紺のジャケットやカーディガンを羽織ります。
5.喪服はレンタルもできる?
突然の訃報で喪服の用意がない場合は、喪服をレンタルするという選択肢もあります。とくに、正喪服であるモーニングスーツや紋付羽織袴、黒紋付の着物などは、用意がない方も多いでしょう。
喪家の場合は、葬儀社でも喪服のレンタルを行っている場合があります。また、最短で翌日には手元に届く喪服レンタルのサービスなどもあるため、インターネットなどで検索してみてもいいでしょう。
ただし、お通夜や告別式の参列者であれば、略喪服として手持ちのダークスーツや黒いワンピースを着用する方法もあります。喪服の用意が難しい場合は、こうした対応も検討してみましょう。
6.葬儀の身だしなみのマナー
葬儀の身だしなみは、服装に加えて、髪型やメイク、ネイル、アクセサリーなどにもマナーがあります。とくに、お別れの場にふさわしくない派手なものや、殺生を連想させるもの、過度な露出はタブーとされています。
喪主やご遺族、ほかの参列者に対して失礼にならないように、あらかじめ身だしなみのマナーを理解しておくことが大切です。ここからは、葬儀の身だしなみのマナーを詳しく見ていきましょう。
靴のマナー
葬儀の際の靴は、黒の革靴やパンプスが基本です。ただし、革靴でも起毛感のあるスウェード素材やワニ革、ヘビ革は殺生を連想させるため、タブーとされています。光沢感のあるエナメル素材や金属の飾りがついた靴も、派手な印象になるため避けましょう。
また、女性の場合、ヒールの高さは3cm〜5cm程度のもので、つま先が丸くなったラウンドトゥ、または四角いスクエアトゥのパンプスを選びます。つま先が開いているオープントゥやつま先が尖ったポインテッドトゥのパンプスは、葬儀にふさわしくないとされています。
髪色・髪型のマナー
葬儀に参列する際は、男女ともに派手過ぎる髪色や髪型は避けましょう。髪色は黒が基本ですが、近年ではヘアカラーが一般的になってきているため、落ち着きのあるブラウンなどであれば、そのままでも問題ありません。
ただし、金髪や奇抜なカラーの場合は、ご遺族やほかの参列者に失礼にならないように配慮が必要です。1日だけ髪色を落ち着かせるカラー剤なども販売されているため、こうした対処法を検討してみましょう。
髪型については、清潔感と落ち着きを意識します。葬儀の際は、お辞儀をすることも多いため、髪が長い方は低い位置で1つにまとめておきましょう。ヘアゴムやヘアピンを使用する際は、装飾のない黒色のものを使います。
メイクやネイルのマナー
メイクやネイルも、派手なものは控え、身だしなみを整える程度を意識します。ラメやパールの入った派手なものや光沢感の強いグロスリップは避けましょう。
アイシャドウは色味のないブラウン系を選び、アイライナーを入れる場合は、ブラックやブラウンで控えめに入れます。チークは肌なじみのよい色味を顔色を整える程度に薄く入れ、リップもベージュ系のものを自然に足す程度にします。チークやリップがなくても、自然な血色感を感じる場合は、無理に入れる必要はありません。
ネイルは基本的にはオフした状態で参列します。ジェルネイルなどですぐにオフできない場合は、上からベージュ系の無地のネイルシールを貼るなどの対応をしましょう。
アクセサリーのマナー
葬儀の際、女性はフォーマルな装いに合わせて、パールや黒真珠のネックレスやイヤリング、ピアスなどを身に付けるのが一般的です。ネックレスは、ネックラインに沿う長さで、必ず一連タイプを選びましょう。イヤリングやピアスは揺れるものは避けます。
また、結婚指輪はつけていても問題ありませんが、個性的なデザインや華やかなデザインなどでまわりの目が気になる場合は、外したほうがいいでしょう。
腕時計も装飾品の1つとされていますが、シンプルなものであれば着用していても問題ありません。ただし、デザインが華やかなものやゴールドの腕時計、スマートウォッチの着用は避けましょう。
7.葬儀の持ち物
最後に、身だしなみの一環でもある葬儀の持ち物について紹介します。
バッグ
葬儀の際は、男性はバッグを持たないのが一般的です。お香典や数珠、ハンカチ、財布などは、喪服の内ポケットにしまいます。どうしてもバッグが必要な場合は、男性用の黒い光沢感のない小さなセカンドバッグを選びましょう。
女性の場合は、黒い光沢感のない小さなハンドバッグが基本です。シンプルなデザインでシルバーやゴールドの金具がついていないものが適しています。弔事用のフォーマルバッグを用意しておくといいでしょう。
数珠
葬儀・告別式では、焼香の際に、数珠を使用します。数珠は宗派によって、さまざまなルールがあるため、ご自身が信仰している宗派の数珠を持参しましょう。また、宗派を問わず使用できる略式数珠を持っていると安心です。
袱紗
香典を包む際に使用する袱紗(ふくさ)も準備しておきましょう。袱紗は黒やグレー、濃い紫など、落ち着いた色のものを選びます。
ハンカチ
葬儀の際に持参するハンカチは、白または黒で無地のものを選びます。華やかな色や柄のあるものは避けましょう。また、タオル素材のものや光沢のある素材のものも避けたほうが無難です。
8.葬儀の際は、適切な服装で参列しましょう
葬儀の服装や身だしなみは、故人に対する哀悼の意を示し、喪主やご遺族、ほかの参列者に対して礼を尽くすために、適切に選ぶ必要があります。葬儀の際は、喪服を基本に、故人との関係性や立場に応じた服装を心がけましょう。また、髪色や髪型、メイクは控えめにし、アクセサリーについてもマナーを守ることが大切です。
葬儀は故人との最後の別れの儀式であり、故人の冥福を祈る場です。この記事を参考に、葬儀に参列する際の準備をしっかりと整え、故人とのお別れを心から大切にしてください。
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