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形見分けとは?適切なタイミングや相手、気になるマナーを解説

公開日:2024/04/02

更新日:2024/04/03

形見分けとは?適切なタイミングや相手、気になるマナーを解説

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亡くなられた方の大切にしていたものを、遺族や親しい人に分けることを「形見分け」といいます。形見分けには、適切なタイミングやお渡しすべき相手、知っておきたいマナーがあるため、これらを事前に理解しておくことが大切です。

この記事では、形見分けの意味や形見分けを行うタイミング、形見分けの品をお渡しする相手について詳しく解説します。

形見分けのマナーや、トラブルの原因になりやすい注意点についても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

こんな方にオススメ!

● 形見分けの意味を知りたい人
● 形見分けのタイミングを知りたい人
● 形見分けを行うべき相手を知りたい人
● 形見分けのマナーや注意点を知りたい人
● 形見分けに選ばれる遺品について知りたい人

形見分けとは?

形見分けとは、亡くなられた方が大切にしていた品物を、遺族や親しい人に分配することを指します。

故人が生前に心を寄せていた品々には、その人の思いや霊魂が込められていると考えられています。こうした品々を、故人の形見として遺族や友人にお渡しすることは、故人との思い出を共有し、故人を偲ぶ良い機会となるはずです。

形見分けには、単なる遺品の分配という意味だけではなく、故人の生前の思いを受け継ぎ、残された人がいつまでも故人への思いを心に留めておけるという大切な意味があるのです。

形見分けのタイミングはいつ?

「形見分けを行うタイミングは、いつが適切なの?」とお悩みの方もいるでしょう。

形見分けは、故人の冥福を祈り、喪に服する「忌中」が終わる「忌明け」のあとに行われるのが一般的です。忌明けのタイミングは、宗教や宗派によって異なります。

仏教の場合

仏教の場合は、忌明けとなる「四十九日法要」のあとに、形見分けを行うのが一般的です。四十九日法要は、故人が亡くなった49日目に行われるのが基本ですが、曜日や喪主、参列者の都合によって前後することもあります。

四十九日法要は、多くの親族が集まるタイミングでもあるため、法要の日に形見分けを行うケースも多く見られます。

神道の場合

神道では、故人が亡くなってから10日ごとに霊祭が行われます。故人がなくなった50日後に行われる「五十日祭」が終わると、忌明けとなるため、形見分けは五十日祭のあとに行うのが一般的です。

ただし、宗派によっては故人が亡くなった30日後に行う「三十日祭」のあとに、形見分けを行うケースもあります。

キリスト教の場合

キリスト教には形見分けという慣習はありませんが、故人が亡くなった1ヶ月後の「追悼ミサ」以降に、故人の遺品を配る場合もあります。

生前に行う場合

一般的に、形見分けは故人が亡くなられたあと、忌明け以降のタイミングで行われますが、近年では、ご自身の意向で、生前に形見分けを行うケースも見られます。

生前に形見分けを行うメリットは、ご本人の意向に沿った分配ができることや、ご本人が直接、親族や親しい方に手渡しできることです。ただし、生前形見分けで年間110万円以上の財産を送ると「贈与税」の対象になる点には注意しましょう。

形見分けを行なう相手

形見分けの品を渡す相手に、法的な決まりはありませんが、一般的には次のような方が形見分けの対象者となります。

● 故人の配偶者、子ども、孫など
● 故人の兄弟姉妹や従妹、甥姪など
● 故人と親しかった友人や同僚など

詳しく見ていきましょう。

家族や親族、友人、同僚などが基本

まず第一に考えられるのが、故人の配偶者や子供、孫といった直系の家族です。続いて、兄弟姉妹や甥姪などの親族です。こうした血縁関係者を中心に、故人の形見となる大切な品物を分けていきます。

ただし、形見分けを行う相手は、必ずしも家族や親族だけに限りません。故人が生前、親しくしていた友人や同僚などにも、形見を渡すことがあります。

形見分けは、故人の遺志を尊重することが重要です。そのため、故人の生前の交友関係を見極めて、本当に形見の品を大切にしてくれる方にお渡ししましょう。

形見分けの品は目上の方にお渡ししても良い?

形見分けとは、本来は、立場が上のものが下のものに対して形見の品を渡すことを指します。

近年ではこうした意味合いが薄れてきているものの、目上の方に形見分けを行うと、失礼に感じてしまう人もいるでしょう。そのため、基本的には、目上の方に形見分けをするのは、避けたほうがいいとされています。

ただし、ご本人から強い要望があった場合は、一言添えて形見の品をお渡しするケースも見られます。

形見分けのマナー

形見分けを行う際は、一定のマナーを守る必要があります。故人への敬意を払い、受け取る方にも気持ちよく形見を受け取っていただくためにも、以下のマナーを理解しておきましょう。

形見の品はきれいな状態でお渡しする

形見となる品物は、できるだけきれいな状態でお渡しするのがマナーです。

衣類などをお渡しする場合は、事前に洗濯やクリーニングなどを行い、清潔な状態にしておきます。腕時計なども形見分けの品として選ばれることが多いものですが、こうした機械類は事前に故障がないかチェックします。

故人が大切にしていたもの、愛用していたものだからこそ、きれいな状態でお渡しして、気持ちよく受け取ってもらいましょう。

形見の品は包装しない、または半紙などで包む

形見の品をお渡しするときは、プレゼントのような華美な包装は不要です。包装をせずそのままお渡しすることも可能ですが、包装したい場合は、白い半紙などで包むといいでしょう。

半紙で包装する場合は、水引きはかけずに、仏教であれば「遺品」、神道であれば「偲び草」といった表書きをします。

形見の品は、基本的には手渡しでお渡しします。ただし、相手が遠方にお住まいの場合は、故人の名前と形見分けである旨を添えて、郵送や宅配便で送ることも可能です。

高価すぎるものはお渡ししない

故人が愛用していた品でも、あまりにも価値が高すぎるものは、お渡しするのを避けましょう。高価なものをお渡しすると、相続や贈与とみなされ、税金が発生する可能性があります。

形見分けの品としてふさわしいものについては、次の項目で詳しく解説しますが、衣料品や文房具、高価すぎない時計やアクセサリーなど、故人の身近にあったもので、受け取り手が喜んでくださる品が適しています。

形見分けに選ばれる遺品の例

形見分けの品として選ばれるのは、故人が生前に大切にしていた品物が一般的です。具体的には以下のようなものが該当します。

故人が日常的に使用していた実用品

腕時計や万年筆など、故人が日常的に使用していた実用品は、形見分けに選ばれることが多い品です。これらの遺品には故人の日々の姿が込められており、受け取った方も故人を偲びながら、大切に使うことができるでしょう。

故人が日常的に身に付けていた衣服やアクセサリー

ネクタイや革靴、腕時計、髪飾り、アクセサリーといった、故人が日ごろから身に付けていた品も形見分けに適しています。故人が身に付けていたものは、故人の存在を強く感じられる品でもあるので、家族や親しくしていた方には喜ばれるでしょう。

故人が集めていたコレクションの品

切手やレコード、本など、故人が趣味で収集していた品も、形見分けの対象となることがあります。故人の人となりが現れるものであり、受け取る方にとっても大切な思い出の品となるでしょう。

故人が使用していた数珠

故人が仏教徒であれば、使用していた数珠を形見分けの品とすることがあります。ただし、基本的には数珠は故人と一緒に棺に入れられます。故人がこの世を離れる際、共に旅立つという意味があるからです。

しかし、故人が複数の数珠を使い分けていた場合は、1つを棺に入れ、残りの数珠を形見分けの品とすることもあります。また、代々受け継がれてきた数珠がある場合は、その数珠を故人のご家族が形見の品として受け取るケースも見られます。

お渡しする品がない場合は現金で代用することも可能

故人の遺品が残っていない場合や、遺品をお渡ししても相手が使いにくい場合は、現金で代用するケースもあります。

現金で代用する場合は、無地の封筒に入れて水引きはかけずに、仏教であれば「遺品」、神道であれば「偲び草」といった表書きをします。さらに、お渡しする際に「形見分けできる品がないため、こちらをお受け取りいただけますと幸いです」と一言添えると、相手も受け取りやすいでしょう。

注意!高価すぎるものはお渡ししない

故人が愛用していた品でも、あまりにも価値が高すぎるものは、お渡しするのを避けましょう。

高価なものをお渡しすると、相続や贈与とみなされ、税金が発生する可能性があります。とくに、腕時計やアクセサリーなどは、品物によっては資産価値が高いものもあるため、慎重に選びましょう。

また、形見分けの品の価値にあまりにも差がありすぎると、受け取る相手側でトラブルが生じる可能性もあります。形見分けには、故人の身近にあったもので、受け取り手が喜んでくださる品を選びましょう。

形見分けを行なう際の注意点・疑問点

形見分けは、ときとして、親族間のトラブルや金銭的なトラブルの原因になる可能性もあります。こうしたトラブルを避けるためにも、事前に以下の注意点や疑問点について理解しておきましょう。

形見分けは、法定相続人全員の同意を得て行う

形見分けは、基本的には資産価値の低い故人の身の回りの品を、家族や親族、友人にお渡しするものです。しかし、遺品の中には「財産として価値がある」と判断されるものも少なくありません。こうした資産価値のある遺品は、形見分けではなく「遺産分割」の対象になります。

遺産分割とは、法律で定められた相続人(法定相続人)全員が集まり、相続財産の配分を決める手続きのことです。万が一、法定相続人全員に同意を得ずに、資産価値のあるものを勝手に形見分けしてしまうと、本来相続すべきだった相続人との間でトラブルが発生する可能性もあります。

そのため、形見分けを行う際は、対象の品とお渡しする相手を明確にして、法定相続人全員の同意を得ることをおすすめします。

形見分けで、相続税や贈与税が発生することはある?

基本的に、形見分けの品には資産価値が低いものを選ぶため、通常であれば相続税や贈与税といった税金は発生しません。しかし、高額な形見の品を受け取った場合は注意が必要です。

受け取った形見の品の価値が、年間110万円を超える場合、その超過分に対して税金(相続税または贈与税)が課される可能性があります。これは、高額な品を受け取ることが、事実上の相続または贈与と見なされるためです。

課税対象になるかどうかは、形見の品の評価額によって異なります。評価額は、購入時点の価格ではなく「時価」で評価されます。そのため「購入した時点では資産価値が低かったが、年月とともに価値が高まった」というケースがまれにあるため、注意しましょう。

評価額の計算は複雑になるため、不安な場合は、事前に専門家に相談するのをおすすめします。

形見分けが相続の「単純承認事由」に該当する可能性はある?

相続とは、亡くなられた方の財産を、特定の人が受け継ぐことをいいます。ここでいう「財産」には、預貯金や不動産、資産価値の高い貴金属などの「プラスの財産」もありますが、実は、借金や支払義務などの「マイナスの財産」も含まれているのです。

相続には「単純承認」「相続放棄」「限定承認」の3つのパターンがあります。

● 単純承認:プラスの財産もマイナスの財産も全て引き継ぐ
● 相続放棄:プラスの財産もマイナスの財産も全て放棄する
● 限定承認:プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ

相続人は、所定の期間内であれば、どの方法で財産を相続するか決めることができます。もし、故人が多額の負債を抱えていた場合、相続を放棄することも可能なのです。

しかし、形見分けで遺品のほぼすべてを持ち帰ったり、資産的価値が高いものを受け取ったりした場合、「単純承認事由」に該当し、全ての財産(借金や支払義務も含めて)を引き継ぐことになる可能性があります。

ただし、形見分けの品は、一般的に資産的価値が低いものが選ばれ、なおかつ、相続人だけが遺品をすべて形見分けとして持ち帰ることはほとんどありません。そのため、単純承認事由に該当するケースは、ごくまれでしょう。

故人の思いを汲んだ形見分けを心がけよう

形見分けとは、故人が生前大切にしていた身の回りのものを、家族や遺族、友人などに分けることを指します。故人の形見を受け取ることで、故人を偲び、いつまでも故人を心に留めておくことができるでしょう。

適切に形見分けを行うためには、形見分けのタイミングやマナー、形見分けに選ばれる品について事前に理解しておくことが大切です。さらに、生前の故人の交友関係を見極め、形見の品を大切にしてくださる方にお渡しすることも重要です。

また、形見分けによる親族間トラブルや金銭トラブルを避けるためには、形見分けと遺産分割や相続、贈与の関係についても理解しておきましょう。ぜひ、この記事を参考に、故人の思いを汲んだ形見分けを行ってください。

大野屋では、ベテランスタッフが常に待機しており、お客様それぞれのお悩みに沿ったご提案をさせていただきますので、安心してお気軽にご相談ください。

メモリアルアートの大野屋「葬儀の事前相談」

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