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お彼岸とはどんな行事?〜由来や過ごし方、お供え物など〜

公開日:2023/09/15

更新日:2024/01/09

お彼岸とはどんな行事?〜由来や過ごし方、お供え物など〜

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こんな方にオススメ!

● お彼岸の由来や意義を知りたい方

● 今年(2024年)のお彼岸の時期を確認したい方

●お彼岸の過ごし方を知りたい方

● お彼岸に適したお供え物を知りたい方

1. お彼岸とは

年に2回、春と秋に訪れるお彼岸。家族でお墓参りをしたり、法要に参加したりすることはあっても、その由来や意味について改めて知る機会はあまりないかもしれません。ここでは、「お彼岸」の由来や意義、日程などについて解説します。

■「お彼岸」の由来

お彼岸は、仏教や日本の伝統文化における大切な行事の一つ。ご先祖様や故人を供養し、感謝の気持ちを捧げるための期間です。

そもそも「彼岸」とは、古代インドで用いられていたサンスクリット語の「paramita(波羅蜜多、パーラミタ)」の訳語である「到彼岸(とうひがん)」という言葉を略したもの。これは、迷いや煩悩に満ちた現世「此岸(しがん)」を離れ、修行することで悟りの世界である浄土(彼岸)へ至ることを、川の向こう岸へ渡ることになぞらえた仏教の教えです。

お彼岸の時期にあたる春分の日・秋分の日は、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さが同じになる日です。仏教では西方に極楽浄土があると考えられていることから、太陽が真西に沈むこの二つの日は、古くから「この世と極楽浄土が最もつながりやすい日」といわれていました。そこで、人々は真西に向かって拝み、極楽浄土に思いをはせるようになったのです。この時期にご先祖様を供養することで極楽浄土に近づくことができると考えられたことが、お彼岸の始まりといわれています。

■「六波羅蜜」の実践

お彼岸はご先祖様への供養を行うとともに、「paramita(波羅蜜多、パーラミタ)」が示す彼岸への到達を目的とし、自分自身を見つめ直して精進するべき期間とされています。仏教には、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という、現世に生きたまま彼岸(悟りの世界)に至るための修めるべき6種の徳目が定められており、お彼岸の期間が7日間あるのは、中日を除く前後3日間に「六波羅蜜」を1日一つずつ修めるためともいわれています。 ご先祖様を思い、お墓参りやお供えをすることも六波羅蜜の修行にあたるといえます。日頃から実践することはなかなか難しいかもしれませんが、お彼岸は普段の行いを振り返り、六波羅蜜を実践するためにふさわしい機会といえるでしょう。

【六波羅蜜の6つの徳目】

・布施(ふせ)...見返りを求めず人のために善行を施すこと
・持戒(じかい)...規律を守り、身を慎むこと
・忍辱(にんにく)...苦難に直面しても平静な心を保ち、耐え忍ぶこと
・精進(しょうじん)...たえず努力して、誠心誠意尽くすこと
・禅定(ぜんじょう)...冷静な心をもち、自分自身を客観的に見つめること
・智慧(ちえ)...上記5つの修行により、真理を見きわめ、真の認識力を得ること

■お彼岸の期間はいつ?

お彼岸の期間は、1年の中で春と秋の2回あります。それぞれ「春分の日」と「秋分の日」を中心に、前後3日をあわせた7日間です。お彼岸の初日を「彼岸入り(ひがんいり)」、真ん中にあたる春分の日・秋分の日を「中日(ちゅうにち)」、最終日を「彼岸明け(ひがんあけ)」と呼びます。

春分の日・秋分の日は、それぞれ国民の祝日とされていますが、毎年必ずしも同じ日というわけではありません。太陽の動きをもとに国立天文台が定めており、前年の2月1日に政府が発表することで正式に決定します。今年(2023年)のお彼岸は、下記の通りです。

【2024年のお彼岸の日程】

<春彼岸>
彼岸入り 3月17日(日/先負)
中日(春分の日) 3月20日(水・祝/赤口)
彼岸明け 3月23日(土/先負)

<秋彼岸>
彼岸入り 9月19日(木/赤口)
中日(春分の日) 9月22日(日・祝/先負)
彼岸明け 9月25日(水/赤口)

※参考:六曜とは

2.お彼岸の過ごし方

たとえば、お盆の時期に迎え火や送り火を焚いたり、牛や馬に見立てたナスやキュウリを飾ったりするような儀式はお彼岸にはありません。ご先祖様や故人に思いをはせながら家族でお墓参りをするほか、自宅にお仏壇がある場合は、いつもより丁寧にお仏壇や仏具の掃除をすると良いでしょう。また、お寺ではお彼岸の法要を行って、亡くなった人の供養をします。それぞれ詳しく見ていきましょう。

■お墓参り

お彼岸にお墓参りをする習慣は、日本で独自に生まれた文化です。お彼岸の時期は、冬の寒さや夏の暑さがゆるみ、気候が良く過ごしやすい頃なので、お墓参りにふさわしい時期といえます。お墓参りに行くタイミングに決まりはありませんが、お彼岸の中日(春分の日・秋分の日)に行くのが最適とされています。お墓参りは、以下のような手順で行います。

①お墓の掃除
・周辺の雑草や落ち葉を取り除く
・枯れた供花など、ゴミをまとめる
・柔らかいスポンジなどを使って墓石を水洗いする
・水鉢や香炉、花立てや香立てなどを洗う
・墓石に残った水気を乾いた布で拭きとる
②お供え
・水鉢にきれいな水を入れる
・お供え物を供える
・花立てに供花を立てる
・香立てに線香を供える
③お参り
・墓石よりも目線が高くなる場合は、しゃがんで両手を合わせる
④後片付け
・お供え物はその場に置いてそのままにせず回収する
・出したゴミはまとめてゴミ箱に捨てるか、ゴミ箱がない場合は持ち帰る

■彼岸会の法要

お寺では、お彼岸の時期に「彼岸会(ひがんえ)」という法要が行われます。亡くなった方を供養するために、僧侶による読経や参列者による焼香を行うことが一般的です。基本的には、お寺で複数の家の法要を合同で行う場合が多いですが、地域や寺院によっては自宅に僧侶を招いて個別に行うケースもあります。不明な点がある場合は、事前に菩提寺に確認しておきましょう。

法要に参加する場合は、僧侶へのお礼としてお布施をお渡しすることがマナーです。お布施は、感謝の気持ちを表すものなので金額に決まりはありませんが、一般的な相場としては、お寺で行われる法要に参加する場合は3千円〜1万円程度、自宅で行う個別法要の場合は3〜5万円程度とされています。なお、自宅で法要を行う場合は「御車代」として5千円〜1万円程度を別途お包みします。

■お仏壇の掃除・お参り

お彼岸にはお墓参りだけでなく、親族や親族が集まって仏壇にお参りをする機会も多くなります。自宅にお仏壇がある場合は、お参りをする前に仏具も含めて掃除をしてきれいにしましょう。
掃除の手順としては、まずは飾ってある仏具を取り出し、お仏壇の外側や内側のほこりを払います。その後、柔らかい布で乾拭きし、仏具を元に戻す、という流れが基本です。お仏壇がきれいになったら、お供え物をして、手を合わせてお参りをしましょう。

3. お彼岸にやってはいけないことはある?

仏教行事の一つであることから、お彼岸の期間中にお祝いごとや大きな行事をしてはいけないと考えている方も少なくないようです。しかし、お彼岸は喪中などのように身を慎まなければならない時期ではないため、特にタブーとされることは存在しません。そのため、引越しや新車の納車といった「新しいこと」、入籍や結婚式をはじめとする「お祝いごと」を行っても特に問題はありません。

そのほか、「お彼岸の時期に土いじりをするのはタブー」といわれることもあります。これは、お彼岸というよりも「春土用」や「夏土用」といった土用の期間に避けるべきとされていることです。土用の期間中は、土を司る神様が地中に存在して土を支配するため、土いじりや草むしりのほか、地鎮祭や新築の基礎工事など、土にまつわること全般を避けたほうがいいと考えられています。

このようにお彼岸には特段タブーはないものの、基本的にはご先祖様を偲び、感謝の気持ちを新たにする期間です。地域ごとの慣習や家族・親族などの考えから、お祝いごとなどの行事は避けたほうがいいとされる場合もあります。ご家族や親族に参加をお願いする場合は、前もって相談しておくと安心でしょう。

4.お彼岸に適したお供え物は?

お彼岸のお墓参りや法要には、どのようなお供え物を用意すればいいのでしょうか。定番とされる「おはぎ」や「ぼたもち」をはじめ、お彼岸にふさわしいお供え物についてご紹介します。

■おはぎ・ぼたもち

お彼岸のお供え物といえば、「おはぎ」や「ぼたもち」を思い浮かべる方も多いでしょう。この二つは、季節に咲く花になぞらえて呼び方が変わるだけで、実はどちらも同じものです。それぞれ、春に咲く牡丹の花にちなんで「ぼたもち(牡丹餅)」、秋に咲く萩の花にちなんで「おはぎ(御萩)」と呼ばれています。地域によって違いがあったり、おはぎとぼたもちを明確に区別していなかったりすることもありますが、一般的には「春=ぼたもち」、「秋=おはぎ」であると覚えていただいて間違いはありません。

お彼岸に「おはぎ」や「ぼたもち」をお供えするようになったのは、江戸時代の頃からです。理由は諸説ありますが、小豆の赤色は邪気を払う効果があると信じられていたことや、かつては砂糖が希少品だったことから、小豆と高価な砂糖を使ったお菓子をお供えすることにより、ご先祖様に感謝の気持ちを伝えるとともに家族円満を祈ったといわれています。

■お花

お花も、お彼岸のお供え物の定番です。フラワーショップなどでは、お供え用に仏花が売られていることも多いですが、特に仏花でなければいけないという決まりはありません。故人が生前好きだった花や、その方にふさわしい花を選んでお供えすると良いでしょう。色や種類にも決まりごとはありませんので、定番の菊やユリのほか、季節の花を選ぶのもおすすめです。たとえば、春のお彼岸には、カーネーションやキンセンカ、トルコキキョウ、マーガレットなど、秋のお彼岸には、リンドウやケイトウなどが挙げられます。

一方で、お供えにふさわしくないとされている花は、トゲや毒のあるものです。トゲのある花は仏教で強く禁じられている殺生をイメージさせ、毒のある花は仏様に毒をお供えすることになるため、トゲのあるバラや毒のある彼岸花は、お供えにはタブーとされています。また、種類を問わず、香りの強すぎる花も避けたいところです。そのほか、ユリなどの花粉は墓石に付くとシミになる場合があるので、あらかじめ取り除いておきましょう。

■果物

お彼岸には季節の果物をお供えすることも多く、お彼岸の時期には、かごに盛られたさまざまなフルーツが店頭に並びます。お墓参りの後は、仏壇などにお供えしておくこともあるため、リンゴやオレンジ、グレープフルーツ、メロンなど、できるだけ日持ちする種類の果物が多く選ばれているようです。

■故人が生前好きだったもの

亡くなった方が生前好きだった食べ物や飲み物をお供えするのも良いでしょう。ただし、肉や魚、お酒は、仏教の教えでは禁じられているため避けたほうが無難です。最近では、お供え用にさまざまな食べ物・飲み物をかたどったローソクも販売されているので、お寿司やラーメン、お酒、アイスクリームなど、故人の好物に合うものが見つかった場合はそちらを利用する方法もあります。

5.まとめ

仏教の教えをもとに、日本の慣習や文化と結びつきながら、私たちの生活に定着してきたお彼岸行事。そこには、ご先祖様や故人に対する深い感謝の念や自然をいつくしむ気持ち、人生をより良く生きようとする先人たちの願いなどが込められています。 お彼岸の期間中にお墓参りに行けない場合は、少し時期がずれても他の日程でお参りをしたり、自宅でお花や好きだった食べ物などをお供えしたりすると良いご供養になるでしょう。仏教行事だからといって、「〜しなければならない」、「〜してはいけない」と、とらわれすぎることはありません。お彼岸は、ご先祖様がいる世界とこの世が最も近くなる時期と考えて、ご先祖様への感謝の気持ちを大切にしながら、自分自身を見つめ直す機会にしてみてはいかがでしょうか。

【この記事のまとめ】

●お彼岸は、ご先祖様や故人を供養し、感謝の気持ちを捧げる期間

・お彼岸は春と秋の2回あり、春分の日・秋分の日を中心とする各7日間のことをいう。
・春分の日と秋分の日は、毎年同じ日というわけではなく前年の2月1日に決定。
・太陽が真西に沈む春分の日・秋分の日は、彼岸と現世がつながりやすい日といわれている。

●お墓参りやお仏壇の手入れ・お参り、法要に参加して、亡くなった方を供養する

・お墓参りに行くタイミングに決まりはないが、できれば中日(春分の日・秋分の日)が良い。
・お寺では、お彼岸の時期に「彼岸会(ひがんえ)」という法要が行われる。
・法要は寺院で行う場合と、自宅で個別に行う場合があるため、菩提寺に確認が必要。
・自宅にお仏壇がある場合は、いつもより丁寧に掃除をしてお参りをすると良い。
・お彼岸の期間は喪中などとは異なるため、特にタブーとされることは存在しない。

●お彼岸には、おはぎやぼたもち、お花などをお供えして感謝の気持ちを伝える

・「ぼたもち」と「おはぎ」は季節によって呼び名が変わるが、どちらも同じものを指す。
・春は牡丹の花にちなんで「ぼたもち」、秋は萩の花にちなんで「おはぎ」と呼ぶのが一般的。
・お花は、仏花にかぎらず、定番の菊やユリのほか、季節の花を供えることもおすすめ。
・トゲや毒のある花、香りの強い種類の花は、お供えには避けるべき。
・仏教で禁じられている肉や魚、酒を除き、故人が生前好きだったものをお供えしても良い。

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