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家族葬後の"事後報告"完全ガイド ― マナー・送り先・文例から判断のポイントまで

公開日:2025/12/10

更新日:2025/12/10

家族葬後の

葬儀アイコン目次

近年、ご家族だけで静かに見送る「家族葬」を選ぶ方が増えています。一方で家族葬の場合、葬儀後になってから訃報を知る方も多いため「誰に・どのように報告すればよいのか」「参列の案内をしなかった相手に失礼にならないか」と悩まれる方も少なくありません。

そこで本記事では、家族葬後の事後報告が必要となる理由から、連絡すべき範囲・適切なタイミング・伝え方までをわかりやすく解説します。すぐに使える文例・ケース別のテンプレートもご用意しましたので、ぜひ参考にしてください。

こんな方にオススメ!

● 家族葬の事後報告の必要性を知りたい人
● 家族葬の事後報告をすべき相手を知りたい人
● 家族葬の事後報告のタイミングを知りたい人
● 家族葬の事後報告の伝え方を知りたい人
● 家族葬の事後報告の文例を知りたい人
● 家族葬の事後報告のマナー・注意点を知りたい人

1.はじめに:家族葬の「事後報告」は、なぜ必要?

近年、ご家族だけで静かに故人をお見送りする「家族葬」が増えています。家族葬は、落ち着いた環境でゆっくりとお別れができる一方、葬儀が終わってから訃報を知る方が増えるため、葬儀後の「事後報告」が欠かせません。

家族葬の事後報告の目的

家族葬の事後報告には、主に次の3つの目的があります。

1. 故人が亡くなられた事実を伝える

家族葬は、参列者を限定して行うため、葬儀終了後に初めて逝去を知る方もいます。「亡くなられた事実」と「家族葬として執り行ったこと」を知らせることは、社会的な関係性を保つうえでも重要になります。

2. 生前のご厚情への感謝を伝える

生前にお世話になった方々へお礼をお伝えすることも、事後報告の大切な役割です。直接参列をお願いできなかった場合でも、感謝の気持ちを添えることで、丁寧であたたかい印象になります。

3. 弔問・香典辞退などの意思を伝える

家族葬では「香典や供花を辞退したい」「弔問はお控えいただきたい」と考えるご家族も多くいらっしゃいます。事後報告の文面で明確にお伝えすることで、相手のご負担を減らし、不要な行き違いを防ぐことができます。

訃報、・死亡通知状・事前報告との違い

葬儀に関する連絡には、主に以下の4種類があります。

・訃報(亡くなった直後の連絡)
・死亡通知状(亡くなったことを知らせるハガキ)
・事前報告(葬儀前の参列案内)
・事後報告(葬儀後のご報告)

家族葬を行う際は、これらの違いを理解し、状況に合わせて適切な方法を選択することが大切です。

訃報(亡くなった直後の連絡)

「誰が亡くなったか」という事実を知らせる連絡のことです。一般葬では葬儀の日時・場所といった案内も含みます。

死亡通知状(亡くなったことを知らせるハガキ)

故人が亡くなったことを知らせる案内ハガキのことです。訃報連絡をハガキで行う場合は、そのハガキを「死亡通知状」と呼びます。

事前報告(葬儀前の参列案内)

家族葬の事前報告は、参列してほしい親族やごく親しい方に訃報とともに葬儀の日時・場所などの案内を伝えるものです。

事後報告(葬儀後のご報告)

家族葬の事後報告は、葬儀の案内をしていない方へ、葬儀後の落ち着いたタイミングで故人の逝去と家族葬を執り行った旨をお知らせするものです。家族葬ではこの「事後報告」が重要な役割を担い、訃報や事前案内の代わりとなります。

2.家族葬の事後報告をすべき人・範囲は?

家族葬の事後報告を行う範囲は、故人との関係性や生前のお付き合いの深さ、ご家族の状況によって異なります。ここでは、一般的に報告すべきとされる相手を解説するとともに、どこまで報告するか迷った場合の考え方をご紹介します。

生前お世話になった関係者(友人、知人、職場関係など)

故人が生前に親しくしていた友人や知人、職場関係の方々には、葬儀後であっても丁寧にお知らせすることが望ましいとされています。とくに職場関係では、社内外でお世話になった方がいる場合も多く、突然の訃報に驚かれるケースもあります。
事後報告の際には「家族葬として執り行ったため、ご案内は控えた」という旨を添えると、相手に意図が伝わりやすく、失礼のない連絡となります。

過去に年賀状や手紙のやり取りがあった人

最近は会う機会が減っていても、年賀状や季節のご挨拶を続けていた方には、事後報告を行うのが一般的です。
とくに、年賀状を送らない時期(喪中ハガキの送付前)に亡くなられた場合は、事後報告のハガキを送ることで、相手が事情を把握しやすくなります。

お見舞いや香典をいただいた方

入院中にお見舞いをいただいた方や、訃報に際して香典・供花などをいただいた方へは、事後報告としてお礼をお伝えしましょう。家族葬として執り行ったため、ご案内を控えたことに加えて「生前にいただいたご厚情への感謝」を添えると、誠実な印象になります。

何らかの理由で事前の訃報連絡を入れなかった方

急なご逝去で連絡が行き届かなかった場合や、葬儀の準備が慌ただしく連絡できなかった場合もあるでしょう。また、ご家族の意向で参列のご案内を控えた相手も含まれます。
このような場合は、事後報告で丁寧に事情をお伝えすることで、相手にもご家族の意向が理解されやすくなります。「葬儀のご案内ができなかったことのお詫び」を一言添えるとよいでしょう。

葬儀に参列できなかった方

「参列したかったが、当日予定が合わなかった」「知らせを受けたが間に合わなかった」などの場合も、葬儀後に改めて事後報告を行うことがあります。
相手が弔問を希望されるケースもあるため、必要に応じて「弔問を辞退するのか」「ご希望があれば自宅での弔問を受けるのか」など、ご家族の方針を明確にして伝えることが大切です。

「どこまで報告するか迷った場合」の考え方

事後報告が必要な相手の範囲は、ご家庭によって異なります。迷ったときは、故人とのつながりの深さを判断の目安にすると考えやすくなります。
故人が生前に親しくしていた方、交流のある期間が長かった方、仕事や近隣・趣味などで日常的に連絡を取り合っていた方には、葬儀後であってもお知らせすることが望ましいでしょう。

一方で、長らく交流がなかった相手や連絡先が不明な相手については、無理に連絡を取る必要はありません。

3.家族葬の事後報告は、いつ行う? タイミングの目安と注意点

家族葬の事後報告は、できるだけ葬儀後の落ち着いた時期に行うのが理想です。早すぎても準備が整わず、遅すぎても相手に失礼となる場合があるため、一般的な目安を知っておくと安心です。

一般的な目安

事後報告のタイミングとして多いのは「葬儀後 3〜7日以内」または「葬儀後 1〜2週間以内」です。
葬儀直後はご家族も慌ただしい状況にありますが、初七日が終わるころには気持ちや環境が少し落ち着き、連絡の準備が進めやすくなります。

また、職場関係や近隣の方など社会的なつながりの強い相手には、可能であれば早めの連絡が望ましいでしょう。一方で、ハガキや手紙で正式にお知らせする場合は、文面の準備や投函までの時間を考慮し、無理のない範囲で対応することが大切です。

事後報告が遅れてしまった場合の対処法

さまざまな事情により、事後報告が想定より遅れてしまうこともあります。その場合でも、遅くとも四十九日までには連絡を済ませるのが目安とされています。
四十九日は故人を偲ぶ区切りの時期であり、この期間までにお知らせすることで、相手に対しても丁寧な印象を保つことができます。

事後報告が遅れた場合は「ご連絡が遅くなりましたこと、深くお詫び申し上げます」「家族葬として静かに見送りましたため、事後のご報告となりました」のような一文を添えましょう。

4.家族葬の事後報告はどう伝える? ハガキ・手紙・電話・メールの使い分け

家族葬の事後報告は、相手との関係性や伝える場面に合わせて、ふさわしい連絡手段を選ぶことが大切です。

正式な挨拶状は「ハガキ・手紙」で行う

ハガキや手紙は、家族葬の事後報告としてもっとも丁寧で、誠実な印象を与える伝え方です。とくに以下のような相手には、ハガキや手紙での事後報告が適しています。

● 故人と長くお付き合いがあった友人・知人
● 年賀状や手紙をやり取りしていた方
● 職場関係者、取引先など、礼節を重んじる相手
● 香典・お見舞い・供花をいただいた相手

ハガキ・手紙による事後報告は、相手にしっかりと気持ちが伝わり、記録としても残るため、後々確認が必要な場合にも役立ちます。文章を整えることで、ご家族の配慮や誠意を伝えやすく「家族葬で執り行ったため事後のご報告となったこと」も明確に説明できます。
ただし、弔事特有の書式には注意が必要です。頭語や時候の挨拶は用いず、句読点を避けて改行で区切るのが一般的です。墨色は薄墨を使用し、簡潔ながら感謝の気持ちを添える文章にまとめると、より丁寧な挨拶状になります。

略式の連絡は「電話・メール・SNS」

書面による事後報告に比べて、より略式の連絡手段として、電話・メール・SNSを用いるケースもあります。以下のような相手には、状況に応じて略式の連絡手段を選ぶこともあります。

● 親しい友人や親族
● 日頃から電話やメールで連絡を取り合っている相手
● 急ぎで知らせたほうがよい相手
● SNSが主な連絡手段となっている相手

電話は気持ちが伝わりやすく、親しい関係ではもっとも自然な連絡方法です。ただし相手の時間を拘束するため、長話にならないよう簡潔にお伝えすることが大切です。
メールは、丁寧さを保ちながら時間を選ばず送れる連絡手段です。文章には句読点を使って問題ありませんが、家族葬であったことやお詫び・感謝の気持ちを一文入れると丁寧です。

SNSは、親しい関係や普段からSNSでのやり取りが中心の相手など、限られた場面で使用します。年代によっては不快に感じられる可能性があるため、仕事関係や目上の方には避けるのが無難です。
略式の手段を用いる場合であっても「家族葬で執り行ったため事後のご報告となったこと」を明確に伝えましょう。また、必要に応じて香典辞退や弔問の可否などを添えると、相手にも誤解なく意図が伝わります。

5.事後報告の文例集【ケース別テンプレート】

家族葬の事後報告では、必要な情報を簡潔にまとめ、失礼のない形で故人の逝去をお知らせすることが大切です。

文例を作成する際は、次の内容を必ず含めるようにしましょう。

【事後報告に必ず入れるべき項目】
● 故人のフルネーム(俗名)
● 亡くなった旨
● 死亡した日付
● 差出日
● 差出人の名前・住所・連絡先

ここからは、ケース別の文例集をご紹介します。書式は弔事に合わせ、句読点を用いず改行で区切る形式を基本としています。

基本の文例(一般的な知人・関係者向け)

このたび

父 〇〇〇〇(享年〇〇歳)が

〇月〇日に永眠いたしましたことを謹んでご報告申し上げます

葬儀は家族のみで執り行いましたため

生前お世話になりました皆様へ事後のご報告となりましたこと

何卒ご容赦ください

生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます

本来であれば早速お伺いしてご挨拶を申し上げるべきところ

略儀ながら書中にてご報告申し上げます

令和〇年〇月〇日

差出人氏名

住所

電話番号

親しい友人・同僚向けのカジュアルさを抑えた文例

このたび

父 〇〇〇〇が〇月〇日に永眠いたしました

家族葬にて静かに見送りましたため

事後のご報告となりましたことをお許しください

生前は温かいお付き合いをいただき

家族一同心より感謝しております

ご繁忙の折 書中にて失礼ながら報告申し上げます

令和〇年〇月〇日

差出人氏名

住所

電話番号

香典・供花辞退の旨を伝える文例

このたび

父 〇〇〇〇(享年〇〇歳)が

〇月〇日に永眠いたしましたことを謹んでご報告申し上げます

葬儀は家族のみで執り行いましたことを

ここにご報告申し上げます

なお 故人の遺志により

香典 供花 弔問につきましては

勝手ながら辞退させていただきました

お気遣いなきようお願い申し上げます

生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます

略儀ながら書中にてご報告申し上げます

令和〇年〇月〇日

差出人氏名

住所

電話番号

6.事後報告を作成する際のポイントとマナー

家族葬の事後報告は、故人の逝去を丁寧にお知らせする大切なご挨拶です。形式に沿った文章でまとめることで、相手に失礼のない形で気持ちを伝えられます。

ここでは、事後報告状を書く際に押さえておきたい基本的なマナーをご紹介します。

頭語・時候の挨拶は避ける

訃報や事後報告など弔事の文章では、「拝啓」「敬具」といった頭語や、季節を表す時候の挨拶は用いません。
これは、弔事が形式的な挨拶よりも故人の逝去を簡潔に伝えることを重視するためで、文章は冒頭から本題に入るのが一般的です。

句読点を使わず、改行で文の区切りを表現する

弔事の文面では、「、」「。」といった句読点を使わず、改行で文の切れ目を示すのが慣例です。
これは「悲しみが続かないように」という意味合いを持つとされ、葬儀に関する挨拶状では広く採用されています。また、改行を適度に入れることで読みやすい文章になります。

敬語や忌み言葉の使い方に注意

事後報告では、丁寧な表現を用いることが大切です。ただし、敬語の使い方にはいくつか注意点があります。
たとえば「逝去」は目上の方に使う尊敬表現であるため、故人が自分の家族の場合には用いず、「永眠しました」「亡くなりました」といった表現を使用するのが一般的です。

また、不幸が続くことを連想させる「忌み言葉」は避けるのが望ましいとされています。
「重ね重ね」「たびたび」「続く」「再び」などの表現は弔事の文面には不向きです。

さらに、宗教・宗派によって適切でない表現がある点にも配慮が必要です。たとえば、仏式では一般的に使われる「ご冥福をお祈りします」という言葉も、浄土真宗では教義上ふさわしくないとされています。相手の宗教がわかる場合は、こうした背景を踏まえて言葉を選びましょう。

薄墨を使用して書く

ハガキや手紙などの書面で事後報告を行う場合は「薄墨」を使用するのが一般的です。薄墨には「悲しみによる涙で墨がにじんだという意味が込められており、古くから弔事の正式な書式として用いられてきました。
ペンを使う場合でも、黒よりやや柔らかい色合いを選ぶと落ち着いた印象になります。

7.家族葬の事後報告後の流れ

事後報告を送った後は、相手から返信をいただいたり、弔問の希望が寄せられることがあります。どのように対応するかは、ご家族の負担にも関わるため、無理のない範囲で丁寧に向き合うことが大切です。

事後報告に対してお悔やみの言葉をいただいた場合には、「温かいお心遣いをありがとうございます」などの一言を添えて感謝を伝えます。

相手が弔問を希望される場合は、ご家族の意向や状況を踏まえて受け入れるかどうかを判断します。受ける場合は、短時間でのご焼香など、負担の少ない形で訪問日時を調整し、対応後にはお礼をお伝えすると丁寧です。

弔問を辞退する場合は、理由を詳しく述べる必要はなく、「恐れ入りますが弔問はご遠慮いただいております」と簡潔に意向を示せば十分です。

故人と親しかった方との関係は、今後も続いていく場合があります。恐縮しすぎず、いただいたお気持ちに丁寧に応えることで、これからのお付き合いも円滑に保ちやすくなります。

8.まとめ|家族葬の事後報告は、相手への配慮を込めて丁寧に

家族葬の事後報告は、参列のご案内を控えた方へ故人の逝去をお知らせし、生前のご厚情への感謝をお伝えする大切な機会です。
誰に・いつ・どのように伝えるかは悩まれる点も多いものですが、基本のマナーや判断基準を知っておくことで、落ち着いて対応しやすくなります。

本記事でご紹介した文例やポイントを参考に、ご家族にとって無理のない形で丁寧にまとめていただければ、相手にも誠意あるご報告として受け止めてもらえるでしょう。


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