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創業当時の大野屋 多磨店
公開日:2026/09/29
更新日:2026/09/29
目次「相続税」と聞くと、
「うちは財産が多くないから関係ない」
「相続税は、お金持ちの人が払うもの」
と思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、相続する財産の額や内容によっては、一般のご家庭でも相続税がかかる場合があります。
そもそも、相続税はどのような場合にかかるのでしょうか。どのくらいの財産から申告や納税が必要になるのでしょうか。
このコラムでは、相続税の基本的な仕組みから、基礎控除、申告・納税が必要になるケースまで、できるだけわかりやすく解説します。
相続税とは、亡くなった方(被相続人)から、現金や預貯金、土地・建物などの財産を受け継いだときにかかる税金です。
相続税には、特定の人や家族に財産が集中することを抑え、社会全体で財産を分かち合う「富の再分配」という役割があります。
ただし、相続が発生したからといって、必ず相続税がかかるわけではありません。一定額までの財産には「基礎控除」が設けられており、相続する財産の額などが基礎控除の範囲内であれば、原則として相続税はかかりません。
では、基礎控除はいくらなのでしょうか。次に、相続税を考えるうえで重要な「基礎控除」について見ていきましょう。
相続税には、一定額まで相続税がかからない「基礎控除」が設けられています。
相続税を計算する際、相続財産などの金額から基礎控除額を差し引き、基礎控除額を超えた部分が相続税の課税対象となります。
基礎控除額は、以下の計算式で求められます。
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
※法定相続人とは、民法で定められた「財産を受け継ぐ権利がある人」のことです(配偶者、子どもなど)。
たとえば、残された家族が「妻と子ども2人」の計3人の場合、
3,000万円 +(600万円 × 3人)=4,800万円
となります。
この場合、相続税の計算上、基礎控除額は4,800万円となります。課税対象となる財産などの合計額がこの金額以下であれば、原則として相続税はかかりません。
基礎控除と比べる財産の金額には、どのようなものが含まれるのでしょうか。ここでは、相続税の計算に関係する財産を、「プラスの財産」「差し引けるもの」「非課税財産」に分けて整理します。
● 現金・預貯金
● 不動産(土地・建物)
● 有価証券(株式・投資信託など)
● 自動車、骨董品、貴金属など
また、亡くなった方が加入していた生命保険の死亡保険金や、死亡退職金なども、一定の場合には「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。
ただし、死亡保険金や死亡退職金には、一定額まで相続税がかからない非課税枠があります。
相続税を計算する際には、亡くなった方が残した借金などを財産から差し引くことができます。
● 借入金(住宅ローンなど)
● 未払いの税金や医療費
● お葬式にかかった費用
※香典返しや法要にかかった費用など、差し引くことができないものもあります。
代表的なものとして、お墓、仏壇、仏具など、日常的に礼拝に使用しているものがあります。
このように、相続税を計算するときは、単純に「財産をすべて足した金額」だけを見るのではありません。相続税の対象となる財産から、借入金などの債務や一定の葬式費用などを差し引いた金額をもとに、基礎控除を超えるかどうかを確認します。
相続税の計算は、単純に「遺産全額×税率」で求めるわけではありません。いくつかのステップを踏んで計算します。
大まかな流れは、次のとおりです。
① 課税対象となる財産の合計額から基礎控除額を差し引き、「課税遺産総額」を求める
② 課税遺産総額を、法定相続分で相続したものと仮定して、各人の相続税額を計算する
③ ②で計算した各人の税額を合計し、「相続税の総額」を求める
④ 相続税の総額を、実際に取得した財産の割合に応じて各相続人に割り振る
文字だけでは少し分かりにくいため、具体的な数字で見てみましょう。
● 家族構成:長男、次男(法定相続人は子ども2人)
● 課税価格の合計額:9,000万円
● 実際の相続割合:長男と次男で2分の1ずつ相続
まず、課税価格の合計額から「基礎控除額」を差し引きます。
法定相続人は2人なので、
3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円
となります。
したがって、
9,000万円-4,200万円=4,800万円
となり、この4,800万円が「課税遺産総額」となります。
次に、この4,800万円を、法定相続分どおりに相続したものと仮定します。
子ども2人の場合、法定相続分はそれぞれ2分の1なので、
4,800万円÷2=2,400万円
となります。
長男、次男それぞれの仮の取得金額は2,400万円です。
2,400万円は相続税の速算表では「1,000万円超~3,000万円以下」に該当するため、税率15%、控除額50万円を使います。
2,400万円×15%-50万円=310万円
したがって、
● 長男:310万円
● 次男:310万円
となり、これを合計した620万円が「相続税の総額」です。
最後に、相続税の総額620万円を、実際に取得した財産の割合に応じて各相続人に割り振ります。
今回は長男と次男が2分の1ずつ相続するため、
● 長男:310万円
● 次男:310万円
となります。
このように、相続税は、まず家族全体の「相続税の総額」を計算し、その後、実際に財産を取得した割合に応じて各相続人の税額を計算するのが大きな特徴です。
※実際の納税額は、各種の税額控除などによって異なります。
相続税には、申告・納税の期限があります。
原則として、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」です。
相続税がかかる場合は、この期限までに、亡くなった方の住所地を管轄する税務署へ申告書を提出し、原則として現金で一括して納付します。
「10か月」と聞くと長く感じるかもしれません。しかし、葬儀や四十九日法要を行いながら、相続人の確認や財産の調査、遺産分割についての話し合いなどを進めていると、時間はあっという間に過ぎてしまいます。
また、遺産分割の話し合いが期限までにまとまらない場合でも、申告・納税の期限が延長されるわけではありません。そのため、相続が発生したら早めに準備を進めることが大切です。
期限までに申告・納税をしなかった場合には、加算税や延滞税などがかかる場合がありますので注意しましょう。
相続税には、残された家族の生活や事情などを考慮し、税負担を軽減するためのさまざまな制度があります。
ここでは、代表的な3つの制度をご紹介します。
亡くなった方の配偶者が相続した財産については、「1億6,000万円」または「法定相続分相当額」のいずれか多い金額まで、相続税がかからないという制度があります。
ただし、適用を受けるためには一定の要件があり、相続税がゼロになる場合でも、原則として申告が必要です。
亡くなった方が住んでいた土地や、事業などに使用していた土地を相続する場合、一定の要件を満たすと、土地の評価額を最大80%減額できる制度です。
例えば、一定の要件を満たす自宅の土地の評価額が5,000万円の場合、80%減額が適用されれば、相続税の計算上は1,000万円として評価します。
ただし、土地の種類や相続する人の状況などによって適用要件が異なるため、注意が必要です。
亡くなった方が契約していた生命保険の死亡保険金を相続人が受け取った場合、「500万円×法定相続人の数」までの金額について、相続税がかからない非課税枠があります。
例えば、法定相続人が3人の場合、
500万円×3人=1,500万円
までが非課税となります。
生命保険にはこのような非課税枠があるため、相続において一定の役割を果たすことがあります。ただし、契約内容や受取人などによって税金の扱いが変わる場合があります。
これらの制度には、それぞれ適用条件があります。
また、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」を利用することで最終的な相続税額がゼロになる場合でも、原則として税務署への申告が必要です。
「相続税がかからない=申告も必要ない」とは限りませんので、制度を利用する際は注意しましょう。
今回は、相続税の基本的な仕組みについて解説しました。ポイントは以下の3つです。
※特例を利用する場合、相続税がゼロでも申告が必要となることがあります。
相続税のことを考えると、「自分には関係ない」と思ってしまうかもしれません。しかし、元気なうちに自分の財産がどのくらいあるのかを把握しておくことは、相続への備えの第一歩です。
まずは預貯金や不動産などの財産を一度整理し、基礎控除額と照らし合わせてみるところから始めてみましょう。
相続税について少しでも不安や疑問がある場合は、早めに税理士などの専門家へ相談することも大切です。
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この記事の監修者
終活・相続・高齢者支援分野
コラム監修チーム
終活・相続・高齢者支援サービスで20年以上の実務経験を持ち、累計2,000件以上の相談対応に携わってきた専門スタッフチームにて監修しています。


















