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テーマ:葬儀後に行うこと

死亡後の戸籍謄本の取り寄せ方や費用など、相続・葬儀後の手続きに役立つ知識

公開日:2025/06/18

更新日:2025/06/18

死亡後の戸籍謄本の取り寄せ方や費用など、相続・葬儀後の手続きに役立つ知識

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こんな方にオススメ!

● 戸籍謄本の種類や違いを知りたい方
● 故人の戸籍謄本が必要なケースを知りたい方
● 故人の戸籍謄本の請求方法を知りたい方

1. 戸籍謄本とは? <抄本・除籍謄本・改製原戸籍との違いは?>

大切な方を亡くされた後、さまざまな手続きのなかで「戸籍謄本(こせきとうほん)」の提出を求められる場面があります。しかし、戸籍謄本には種類があり、記載されている内容や用途がそれぞれ異なります。そのため、「似たような書類があって混乱する」、「どの戸籍を取り寄せればいいか分からない」と戸惑ってしまう方も少なくありません。ここでは、戸籍謄本の種類についてわかりやすくご説明します。

■ 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)

「戸籍謄本」とは、戸籍に記載されたすべての人の情報をまとめた公的な証明書です。正式には「戸籍全部事項証明書」と呼ばれ、本籍地の市区町村役場で取得できます。記載内容は、氏名・生年月日・親子関係・婚姻や離婚の記録などです。

■ 戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)

「戸籍抄本(こせきしょうほん)」は、戸籍に記載されているうちの一人、または指定した一部の人の戸籍情報のみ記載された証明書のことをいい、正式には「戸籍個人事項証明書」と呼ばれます。主に個人を証明する際に使われますが、相続に関わる手続きでは戸籍抄本ではなく「戸籍謄本」を求められるケースがほとんどです。

■ 除籍謄本(除籍全部事項証明書)

「除籍謄本(じょせきとうほん)」とは、すでに誰も在籍していない戸籍の写しです。結婚・転籍・死亡など、諸事情でその戸籍に記載されている人が全員いなくなった状態を「除籍」といい、この戸籍を証明するものが除籍謄本(除籍全部事項証明書)です。銀行などの相続手続きの他、相続登記や相続税申告など、さまざまな手続きの際に必要とされます。

■ 除籍抄本(除籍個人事項証明書)

「除籍抄本(じょせきしょうほん)」は、除籍された戸籍のなかから、一人、または指定した一部の人の情報を記した証明書です。ただし、相続や不動産名義変更などの手続きでは、すべての家族関係を確認する必要があるため「除籍謄本」を求められることが一般的であり、除籍抄本が必要となる場面は限られています。

■ 改製原戸籍謄本

戸籍は、法律の改正に伴って新しい形式の戸籍に作り変える(改製する)ことがあり、改製される前の古い形式の戸籍を「改製原戸籍(かいせいはらこせき・かいせいげんこせき)」といいます。たとえば、2006年の戸籍法改正により、縦書きの手書き様式から横書きの電子データ様式に変わった際、それまでの戸籍は「改製原戸籍」として保存されることになりました。相続手続きでは、故人の出生からの戸籍をたどるうえで、改製原戸籍の取得が必要になることもあります。

2. 故人の戸籍謄本が必要になるケース

戸籍謄本は、故人の死後に発生するさまざまな手続きで必要になる書類です。実際には、どのような場面で戸籍謄本が求められるのでしょうか。ここでは、故人の戸籍謄本が必要になる代表的なケースをご紹介します。

<相続人調査>

相続人調査とは、「誰が相続人なのか」を確定することです。そのために、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せる必要があります。現在の戸籍だけでなく、過去に作成された除籍謄本や改製原戸籍も含めて、連続性のある戸籍をすべて揃えることにより、法定相続人を正確に把握できます。転籍や結婚などで本籍地が変わっている場合は、複数の市区町村から取り寄せなければなりません。日数がかかることもあるため、できるだけ早く動き始めましょう。

<死亡一時金の申請>

故人が国民年金に加入していた場合、一定の条件を満たすと遺族に「死亡一時金」が支給されます。この申請には、年金加入者が亡くなった事実と遺族との続柄を証明する書類として戸籍謄本の提出が求められます。
死亡一時金とは、国民年金の第1号被保険者として36ヶ月(3年)以上国民年金保険料を納めた人が、老齢基礎年金と障害基礎年金のいずれも受けないまま死亡した場合に、その方と生計を同じくしていた遺族が受けることのできる給付金です。このときの「遺族」とは、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順で最も優先順位の高い人が該当します。ただし、遺族が「遺族基礎年金」の支給を受けるときは死亡一時金の支給はありません。また、「寡婦年金」と「死亡一時金」の受給要件をいずれも満たしている場合は、どちらか一方を選択します。

<遺族年金の申請

家計を支える家族が亡くなってしまったときに、一定の条件を満たすことで遺された家族が受給できる年金のことを「遺族年金」といいます。遺族年金には、国民年金に加入している方が亡くなった場合に支給される「遺族基礎年金」と、厚生年金に加入中の方が亡くなった場合に支給される「遺族厚生年金」があります。これらの申請を行う際も、故人が亡くなった事実と申請者との続柄を証明するために、死亡日以降に発行された戸籍謄本が必要です。

<遺言書の検認>

遺言書の検認とは、遺言の存在と内容を明確に記録し、相続人に伝え偽造や改ざんを防ぐためのものです。亡くなった方の自筆の遺言書がある場合は、開封前に家庭裁判所で「検認」の手続きを行う必要があります。この手続きでは、故人の戸籍謄本だけでなく、故人と相続人の関係を確認するために相続人全員の戸籍謄本が必要となります。

<相続放棄・限定承認の検討>

借金のようなマイナスの遺産がある場合など、亡くなった方の権利義務を引き継がない場合は、相続放棄や一定の条件で相続する「限定承認」を行うという選択肢があります。これらの申し立ては家庭裁判所に対して行いますが、その際も故人の戸籍謄本の提出が必要です。相続開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申し立てをしなければならないため、判断を迷う場合も、まずは戸籍謄本の取得を進めておくとよいでしょう。

<相続税の申告>

相続財産が遺産に係る基礎控除を超える場合、相続税の申告が必要です。税務署への申告には、相続人の人数や続柄を証明するため、故人と相続した全員分の戸籍謄本が求められます。相続を知った日の翌日から10か月以内に、故人の居住地の所轄税務署へ申告しましょう。なお、提出する戸籍謄本は、これまで原本とされていましたが、2018年度の税制改正によりコピーでも認められるようになりました。

<銀行預金や不動産等の名義変更>

亡くなった方が生前に利用していた銀行口座の他、不動産や自動車などの資産を所有していた場合は名義変更を行う必要があります。これらの手続きでは、故人が死亡した事実と相続人との関係を証明する戸籍謄本の提出が求められます。特に不動産の相続登記では、名義人である故人の出生から死亡までの戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本が必要です。

<生命保険の請求>

故人が生命保険に加入していた場合、受取人が保険金を請求する際に、被保険者が亡くなったことを証明する書類として戸籍謄本が必要です。同時に、請求者が受取人に指定されている本人であることを確認するために、受取人自身の戸籍謄本などの提出が求められます。

<埋葬料、葬祭費の申請>

健康保険に加入していた方が亡くなった場合、「埋葬料」や「葬祭費」といった給付金を受け取ることができる制度があり、この申請にも故人の戸籍謄本が必要です。
会社員など健康保険の加入者が業務外の事由による病気やケガなどで亡くなった場合、「埋葬料」として埋葬を行なった人に一律5万円が支給されます。埋葬料の申請期限は、死亡日の翌日から2年以内です。一方、故人が国民健康保険に加入していた場合は、葬義を行った人に「葬祭費」が支給されます。金額は自治体によって異なりますが、おおむね1〜7万円ほどで、5万円のところが多いようです。葬祭費の申請期限は、葬義を行った翌日から2年以内とされています。

3. 故人の戸籍謄本を請求できる人

故人の戸籍謄本を請求できる人は法律で定められており、誰でも自由に取得できるわけではありません。ここでは、請求できる人の範囲と、代理で取得する場合の注意点を解説します。

■ 配偶者、直系血族

故人の戸籍謄本を請求できるのは、故人の配偶者や直系血族(親、祖父母、子、孫など)です。兄弟姉妹や甥・姪などは、戸籍法上の直系血族には該当しないため、原則として請求することはできません。この場合、以下のような委任による代理請求を行う必要があります。

■ 請求を委任された方

故人の配偶者や直系血族以外の人が戸籍謄本を請求する際は、委任状が必要になります。また、司法書士・行政書士などの専門家に依頼する場合も、請求権をもつ人からの「委任状」を持参することで、代理人として戸籍謄本を請求することが可能です。ただし、自治体によっては、委任状の様式や記載内容に細かな指定があるため、事前に役所のホームページなどで確認しておきましょう。

4. 戸籍謄本の請求方法

故人の戸籍謄本を請求する方法は、「役所の窓口での申請」や「郵送による請求」が基本です。これに加え、近年は多くの市区町村でマイナンバーカードを使った「コンビニ交付サービス」にも対応しています。ただし、コンビニ交付に対応している自治体でも、利用時間や取得できる証明書などが制限されていることがあるため、利用する際はあらかじめ確認しておくと安心です。

また、亡くなった方の戸籍謄本を取り寄せるときに注意したいのが、故人が過去に本籍を移動しているケースです。故人の出生から死亡まで一生分の戸籍謄本をすべて揃える必要があるため、本籍地を移していた場合や、長い年月を経て戸籍が何度も改製されている場合には、複数の自治体から取り寄せなければなりません。自治体ごとに保管されている戸籍を、時系列に沿って一通ずつ集めていく作業は、想像以上に時間と労力がかかるため、早めに取りかかることが大切です。

■ 申請に必要な書類

以下に、窓口申請・郵送申請それぞれに必要な書類をまとめました。

【窓口で申請する場合】

・市区町村所定の戸籍交付申請書
・故人の家族関係がわかる戸籍謄本
・本人確認書類
・印鑑
・(故人の家族以外が申請する場合)委任状

【郵送で申請する場合】

・市区町村所定の戸籍交付申請書
・故人の家族関係がわかる戸籍謄本のコピー
・本人確認書類のコピー
・返信用封筒(宛名明記・切手貼付)
・定額小為替
・(故人の家族以外が申請する場合)委任状

5. 戸籍謄本の請求にかかる費用

戸籍謄本の取得にかかる費用は、おおむね全国一律です。相続などの手続きに必要な戸籍謄本は、提出先によっては原本を求められるケースもありますが、希望すれば返却してもらうことができます。ただし、返却まで時間がかかる場合もあるので、念のため2通取得しておくと安心です。

【戸籍謄本の交付手数料】

具体的な手数料の金額を以下にまとめました。コンビニ交付に対応している自治体では、これより安く発行できる場合があります。ただし、除籍謄本や改製原戸籍はコンビニ交付サービスの対象外であるため注意が必要です。

証明書の種類 手数料(一通あたり)
戸籍謄本(全部事項証明書) 450円
戸籍抄本(個人事項証明書) 450円
除籍謄本 750円
改製原戸籍藤本 750円

6. 法定相続証明情報制度とは

「法定相続情報証明制度」とは、戸籍謄本と相続関係を一覧にまとめた書面に、法務局が認証を与える制度です。届け出をすると法務局から「法定相続情報一覧図」の写しが交付され、これを各種相続手続きに利用することができます。法定相続情報一覧図の申請は5年間無料で交付してもらうことができ、戸籍謄本や除籍謄本などの代わりに利用できます。認証済みの写しは複数部取得可能なので、複数の機関にまたがる手続きを行う場合にも、戸籍謄本などを何通も取り寄せる必要がありません。ただし、一覧図の作成には、故人の出生から死亡までの戸籍すべてが必要となるので、まずは戸籍謄本一式を集めるというステップがあります。また、必要書類を提出してから法定相続情報一覧図の写しが交付されるまでには数日から2週間程度かかるので、相続手続きが少ない場合や急ぎで手続きを行いたい場合は、従来通り戸籍謄本を取り寄せたほうがスムーズかもしれません。

7. 戸籍謄本についての要点まとめ

● 「戸籍謄本」とは、戸籍に記載された全員分の情報をまとめた公的な証明書のこと

・正式名称は「戸籍全部事項証明書」といい、本籍地の市区町村役場で取得できる
・戸籍には種類があり、記載されている内容や用途が異なるため注意が必要

● 人が亡くなった後は、相続などさまざまな手続きで戸籍謄本の提出が求められる

・故人の戸籍謄本を請求できるのは、配偶者や直系血族の他、委任状がある代理人
・請求方法には、「役所の窓口での申請」、「郵送による申請」、「コンビニ交付」がある
・戸籍謄本の取得にかかる手数料は、おおむね全国一律となっている。

メモリアルアートの大野屋では、ベテランスタッフが常に待機し、お客様それぞれのお悩みやご事情に沿ったご提案やご相談をさせていただきますので、いつでもお気軽にご相談ください。

【葬儀の事前相談】

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